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【愛知県】マッサージ用のベッドが並ぶ作業療法の部屋で、いすに座った倉橋芳子さん(78)=岐阜県安八町=がゆっくり指先を動かし、折り紙をしていた。


 倉橋さんは二月の交通事故で搬送され、当時は寝たきり状態だったが、リハビリを始めると次第に体を動かせるようになった。リハビリテーション科専門の山村裕明医師(45)は「座ることはもちろん、最近は歩けるようにもなった」と目を見張る。


 凍らせた綿棒で口内の神経を刺激したり、重りを持ち上げる作業を通して関節の可動域を広げたりして、筋力を付けてきた。「リハビリは地道な積み重ね。スタッフが常時付いて患者さんを指導できるマンパワーが強み」と自信を見せる。


 倉橋さんも「右手がもう少し動けばできることが増えそう」と治療に意欲的だ。


 社会医療法人「杏嶺(きょうりょう)会」が運営する尾西記念病院は、尾西地域の総合病院としての顔とともに、リハビリに特化。通常の治療に使う一般病棟の四十四床のほか、リハビリ病棟が西尾張でもっとも多い九十三床ある。


 利用する患者は骨折や脳卒中、脊髄損傷などさまざま。発症直後の急性期を過ぎ、症状が安定し始める回復期のリハビリと、退院後も継続できる通所リハビリ施設が整う。外科や眼科なども院内にそろうため、合併症の多い高齢者の治療に対応できる。


 「原則、在宅復帰を目指します。それには受け入れる家族の協力も不可欠」。リハビリテーション科長で理学療法士の滝隆史さん(37)は指摘する。


 多くの患者が抱く「自宅に戻りたい」との望みをかなえるため、リハビリを手伝う理学療法士、作業療法士に加え、介護プランを作るケアマネジャー、入院中や退院後の調整をする社会福祉士がチームを組み、生活復帰に道筋を付ける。


 入院患者の八割程度が自宅に戻り、在宅復帰率は良好だ。戻った後も通所リハビリに通う利用者は多い。


 通所施設で、片足立ちの訓練に励む男性がいた。二年前に脳出血で入院し、重い障害で言葉が話せなかったが、今ではほぼ回復した。「すっかり良くなりましたね」と山村医師が声を掛けると、男性は「カラオケによう行っとるから」と陽気に答え、会話が弾んだ。


 治療後も患者と病院のつながりが続く。関係の近さが、頼られる病院になっている。(安福晋一郎)


 積極的に地域と関係


 多羅尾信(たらお・まこと)院長の話 リハビリに特化した病院だが、さまざまな疾患にも十分対応できる。市内外の病院や開業医、介護施設との緊密な連携を大切にしている。職員にいつも伝えるのは助け合い、思いやり、気配りの大切さ。「業績は後から付いてくる」と。患者を健康にするのは当たり前。積極的に地域と関係を持ち、まちを明るくしていきたい。


    ◇


 尾西記念病院 2009年創設▽137床(うちリハビリ病棟は93床)▽常勤医9人、非常勤医12人▽内科、外科、整形外科、リハビリテーション科など14科▽一宮市冨田宮東1718の1▽名鉄一宮駅バスセンターから名鉄バスで「西萩原」下車徒歩10分。i(アイ)バスなら「尾西記念病院」下車▽電0586(62)2221


    ◇


 この連載は、原則隔週土曜日に掲載します。過去の記事は「中日 医療サイト」で読めます。


中日新聞社

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